
第一部作
「金箔ソフトクリーム物語」
毎夜ソフトクリームを買いに来る美女
甘くも切ないラブストーリーが始まる
[あらすじ]
金沢で500年の歴史を持つ伝統工芸、金箔作りの新商品として誕生した金箔ソフトクリーム。
一号店の店長を任されたのは若干22歳の下村亮。亮は一生懸命に店を仕切っていた。
そんなある日の夜、すでに閉店し、片付けをしていた亮のもとに一人の女性が金箔ソフトクリームを買いに来る。
そして次の日も同じ時刻に。そして次の日も・・・
次第に女性と会話をするようになった亮は、その女性に恋心を抱き始めていた。
そんなある日、亮はその女性の後をつけてみようと思い・・・
石川県にまつわる「飴買い幽霊」を下敷きに、儚くも美しいピュアラブストーリーが始まる。

第二部作
「桜貝伝説」
毎夜ソフトクリームを買いに来る美女
甘くも切ないラブストーリーが始まる
[あらすじ]
友人たちと増穂浦海岸に海に泳ぎに来ていた中学生の藤島龍弥は、その海で溺れてしまう。
気がつくと浜に横になっていた龍弥を心配そうに覗き込む美少女がいた。
龍弥は一目で恋に落ちるが、美少女は何も言わずに去っていってしまう。
-10年後-
25歳になった龍弥には中上凪という恋人がいた。
ある日、龍弥は凪に結婚を申し込む。
凪は涙を流して喜んでくれたが、その翌日から龍弥の前から姿を消してしまう。
必死になって凪を探す龍弥だが手がかりはまったくなかった。
数ヶ月が経った頃、憔悴し切った龍弥のもとに一通の手紙が届いた。
それは凪からの手紙だった。
「探さないでほしい」という凪の言葉とともに、ピンク色の1センチほどの貝殻が添えられていた。
龍弥はその貝に見覚えがあった。
中学生のときに出会った美少女が手渡してくれた貝だった。
あの美少女は凪だったのか?
凪はなぜ姿を消したのか。もう一度凪に会いたい、その一心で龍弥は増穂浦海岸へ急いだ。
そしてまさに龍弥が溺れた浜に、凪がいた。
龍弥と凪の、止まっていた時間が動き出した─